炎上事例/デジタル・クライシス事例

SNS普及で高まる悪評の拡散と「炎上」リスク
企業の備えと対応は?

SNS普及で高まる悪評の拡散と「炎上」リスク。企業の備えと対応は?

総務省の調査によると、国内におけるインターネット利用者数は2013年に1億人を超えました。2017年時点の利用率は80.9%に達しています。増え続けるネット利用者の大半が利用しているのが、スマートフォンの普及を追い風としたSNSです。
ICT総研の調査では、2020年末のSNS利用者数は2018年末の7,523万人から7,937万人に拡大する見通しで、ネット利用人口に対する割合は78.7%に達するとみられています。

SNSの普及は誰もが好きなときに、好きな情報を発信できる時代が到来したことを表しています。手軽に持ち歩けるスマートフォンはSNSユーザーを増やしただけでなく、操作性の良さが情報の発信スピードを速めることにもなりました。SNSにアップロードした情報が、たった数時間のうちに世界中に拡散されるという現象も珍しくありません。

ただ、誰もが自由に情報を発信できる環境の下、ネット上の書き込みで個人の名誉やプライバシーが傷つけられる人権侵害事案が増えているのも事実です。

ネット上の人権侵害件数

出典:法務省のHP 平成24年~29年「人権侵犯事件の状況について」

さらに、特定の企業の不祥事やハラスメントなどをリークする内容がSNSなどに投稿された場合、それがいわれのない一方的な記述であったとしても、とめどなく拡散され、当該企業が「炎上」の憂き目に遭ってしまうケースが後を絶ちません。

いつ、どんな投稿をきっかけに降りかかるか予測できない「炎上」のリスクに、企業はどう対処するべきでしょうか? 実際に起こった事例を振り返りながら検証していきます。

Twitterで「パタハラ」告発

2019年6月1日、化学メーカーK社の元従業員の妻が、Twitterに1つの投稿をしました。
その投稿は「夫が育休明け直後に転勤を命じられ、有給休暇も取らせてもらえずに退職に追い込まれた」という内容でした。育児休暇を取得した男性が不当な扱いを受ける「パタハラ(パタニティ・ハラスメント)」の告発そのものです。

K社の企業名を暗示するタグが加えられた投稿はたちまち注目を集め、SNS上で拡散されます。
6月2日、新卒者向けの口コミ就職サイトではKへの就職が内々定していた学生による辞退意思の書き込みが続出しました。

Twitterで「パタハラ」告発

※自社調べ

さらにこの日、K社のウェブサイトから育休に関するページが削除されていることも発覚。
SNS上では批判が広がったにも関わらず、K社は「炎上」の事実や背景には触れないまま「システム障害」と説明します。
具体的な経緯について「2月にホームページをリニューアルした際に、旧サイトは全て削除すべきところ、一部が残ってしまいました」と釈明したものの、「リニューアルで都合よく旧ページの一部だけ残すとかあるわけがない」といった指摘が続出しました。
ページ削除を「システム障害」とした対応は、SNS上にはウェブサイトの仕組みに精通した専門家らが多数いるという事実を考えていないと思わざるを得ないものでした。

6月3日には一部メディアが「炎上」を記事化しましたが、その際に取材を受けたK社の広報部は「当事者が社員かどうか分からない」とコメントを拒否しました。

こうした対応をめぐり、K社にはさらなる批判が浴びせられます。
育休ページの削除後、Twitterでは削除前のページ画像、いわゆる「魚拓」が公開され、5,424件ものリツイートと4,498件の「いいね」が寄せられました。

口コミ就職サイトで内々定の辞退が続出していることも共有され、就活生がK社を敬遠する動きが加速します。

「パタハラ」を発端とした騒動が広がるにつれ、元従業員を名乗る人物による違法労働の告発や、Kが「くるみんマーク」(厚生労働省が子育て支援など一定基準を満たした企業・法人を認定する制度)を取得したことを疑問視する投稿も見られ、拡散されました。

こうして拡散された投稿の中には、K社の株価ストップ安の情報を共有する内容や、株式投資情報サイト掲示板の偽装工作を疑う記述まであったのです。

「自社の対応に問題はなかった」との主張に非難が殺到

批判が強まった理由は、危機管理にふさわしくないK社の対応が重なったことにもありました。
広報部が「当事者が社員であるかどうか分からない」とコメントを拒否したのと同じ日、K社の社長は社員あてに「パタハラ」に関する釈明メールを送っていたのです。その内容は「転勤の内示はあったが見せしめではない」と、当事者が社員であることを認める趣旨でした。

メディアが報じたこのメールの中身は、広報部のあいまいな見解と全く異なります。

報道を受け、K社はウェブサイトで「当社元社員ご家族によるSNSへの書き込みについて」という公式コメントを出しましたが、「自社の対応に問題はなかった」と主張したことから、SNS上では「完全に今の社会情勢や世論をくみ取れていない」といった非難が殺到しました。

公式見解についてばかりではなく、K社の企業体質を面白おかしく批判する投稿も拡散され、収拾がつかない状況に陥った「炎上」の事態は他メディアでも一斉に記事化されてしまったのです。

「炎上」の沈静化に必要なのは正しい世論を見極めること

「パタハラ」が告発された6月1日以降、Twitterを中心に激増したK社関連のSNS投稿を分析(AIで自動判定)すると、K社に対してネガティブな感情を持つ人は87.7%にも達していました。(弊社調べ)
自社の正当性のみを訴えたK社の対応に欠けていたのは、こうした世論を正確に把握するモニタリングです。公式見解は社会情勢を加味し、適切な処置を取れていたかという視点で発表する必要がありました。

広報部が「当事者が社員であるかどうか分からない」とコメントを避けたタイミングは、本来なら「炎上」被害を挽回する最後のチャンスでした。
また、K社の広報部が「当事者が社員かどうか分からない」とメディアへのコメントを拒否した6月3日には、「パタハラ」で退職したはずの元社員の妻がTwitterで1月に「夫起業の具体的な準備」と投稿していたことが一般のSNS利用者から指摘されていました。
こうした重要な局面で明確なメッセージを発信しなかったK社の対応は、せっかくの好機をみすみす逃したことに他なりません。K社は早い段階で危機管理広報の専門家を交え、メディア対応の方針を定めておく必要がありました。

迅速な初動でSNS上の「炎上」被害を最小限に

SNS上の「炎上」を収束させるために必要な対策は、次の通りです。

  • 迅速な初動対応で事実関係を把握。モニタリングを行いつつ世論の動向も正確に読み取る。
  • 記者会見を実施(検討)、メディア対応の方針を決定して的確な対処を進める。
  • 有名ライターなどに情報提供し、中立的な視点で記事を作成してもらい公開する。

これらの取り組みを続ける中で、「炎上」は徐々に収束させることができます。
企業にとってポジティブ・ニュートラルな意見を増やす取り組みが、事態を沈静化に向かわせるのです。

予期せぬ「炎上」が起こった際、迅速な初動対応を取れるようにする上では、SNSやネット上の掲示板を監視する弊社のモニタリングサービスが有効です。
危機管理広報に対応するオプションも用意しており、万一の「炎上」時の対策費用をカバーする国内初の保険も付帯しています。

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