炎上事例/デジタル・クライシス事例

企業が知っておくべき直近の拡散動向
不適切動画などの「炎上」リスクへの備えは?

企業が知っておくべき直近の拡散動向 不適切動画などの「炎上」リスクへの備えは?

短時間の動画や写真を気軽にシェアできることから、Instagramで注目されている機能がストーリーズ機能です。
通常の投稿(フィード投稿)とは別に、日常の出来事の投稿、ライブ配信を行えるだけでなく、フェイスフィルターやスタンプなどの編集ツールも豊富にそろっています。

フェイスブックジャパンによると、Instagramの月間アクティブアカウント数は2019年3月時点で3,300万に到達しました。2018年9月時点では2,900万アカウントだったので、Instagramコミュニティーは半年間で400万アカウントも増えたことになります。

Instagramの成長をけん引しているのは、まさにストーリーズです。
国内ではInstagramのデイリーアクティブアカウントの約70%がストーリーズを利用(投稿・閲覧)し、1日に投稿されるストーリーズの数は2年間で20倍に増加、1日当たり700万件ものストーリーズ投稿がシェアされています。

人気の理由は気軽さとリアルタイム感覚を楽しめることです。それらの特徴を決定付けている最大の要因は、投稿が24時間で自動的に削除されるという点でしょう。

しかし、ここには大きなリスクも潜んでいます。「多少モラルの低い投稿をしても大丈夫だろう」「どうせ友達しか見ていないだろう」「すぐに消えるだろう」。そんな安易な気持ちで不適切動画などを投稿してしまう若者も少なくありません。

ストーリーズにアップされた投稿は第三者であっても、簡単に手に入るアプリなどで保存できます。つまり、他人のストーリーズの投稿を他のSNSを使って拡散することも容易なのです。
事実、ストーリーズに投稿された不適切動画がSNSの別媒体で拡散され「炎上」するケースが相次いでいます。

Instagramの投稿が別のSNSで拡散

2019年1月、大手外食チェーンSの店内で男性アルバイト店員が氷を床に投げつけた上、調理器具のおたまを股間にあてがう行為を撮影した不適切動画がTwitterで拡散され「炎上」しました。

この動画はもともと、ストーリーズに上げられたものでしたが、第三者の手で拡散されたのです。
事件のせいで消費者や株主への謝罪対応、それらにかかった人件費、事故調査費、弁護士への相談費用がいかに莫大だったかは、容易に想像できます。
飲食店にとって致命的な悪印象を与える動画の拡散が招いた、利用客の減少などに伴う逸失利益も計り知れないでしょう。

2019年2月には、大手外食チェーンKでも同様の事態が発生します。2人のアルバイト店員が食材と思われる生魚の切り身をごみ箱に投げ捨てた挙句、再びごみ箱から取り出してまな板の上で調理するという不適切な動画をInstagramに投稿したのです。

この動画も、すぐにTwitterで拡散されることになります。Twitterでは不祥事を起こした店員と撮影したアルバイト店員が特定され、実名や顔写真もさらされました。

それだけでは終わりません。不祥事を起こした店の名前もインターネット上で公開されてしまい、Kの株価急落まで引き起こしました。
たった2人の店員による「バイトテロ」が、27億円相当もの損失を招いたのです。

この月には、大手コンビニチェーンSで撮影された不適切動画もTwitterで拡散され「炎上」しました。アルバイト店員が、売り物であるおでんの白滝を口に出し入れしたのです。さらに、吐き出したおでんを手に、踊りながら商品のたばこの箱を触れます。その行為は、単なる悪ふざけでは済まされないものでした。

企業規模が大きいほど深刻な「炎上」ダメージ

ここで、注意するべきポイントがあります。「炎上」のダメージは、企業規模が大きいほど膨らむということです。

一般的には大企業ほど知名度が高く、問題のある動画や画像が発覚すればネット上のみならず、テレビのニュースなどにも取り上げられやすいと言えます。
大企業は社会に対する責任や影響力も大きいと考えられており、不祥事を起こせば強烈なバッシングを受けるリスクが高いのです。

ちなみに、27億円相当の損失を被った大手外食チェーンKの年間売上高は1,300億円ですが、Sの年間売上高は4兆円を超えています。企業規模を比較してみれば、Sが被った損害額が計り知れないということは、言うまでもありません。

SNSでは過去の問題投稿が突然拡散される恐れも

最近の拡散動向には、さらに複雑な傾向も見られます。
数カ月も前に投稿された不適切動画が、別媒体のSNSで突如拡散されるというパターンです。
先ほど紹介した大手外食チェーンSの不適切動画が拡散されたのはInstagramへの投稿から5日後、Kは翌日のことでした。しかし、大手コンビニチェーンSの場合は「おでん」と別に、5カ月も前に投稿されていた不適切動画が発掘・拡散されました。

同様のタイムラグが見られたケースはほかにもあります。
大手外食チェーンBの従業員が厨房で調理中、コンロでたばこに火をつける不適切動画を撮影しました。この動画が投稿されたのは2018年4月でしたが、拡散時期は2019年2月でした。
同じく大手外食チェーンOでも、従業員が店内のおぼんを使って撮影した不適切動画を撮影。投稿は2018年7月でしたが、2019年2月中旬まで拡散されないままでした。

時間をさかのぼって不適切動画が発掘される背景には、直近のニュースなどで同様の問題行為が多く取り上げられていることがあります。
1つの悪質な動画が炎上することで、一部の人たちの間やTwitter上だけで話題となっていた過去の不適切動画が突然掘り起こされ、「ほかにもあるぞ」と白日の下にさらされやすくなるのです。

大手コンビニチェーンSをめぐる5カ月前の動画拡散は、「おでん」動画の「炎上」がきっかけでした。投稿された時点では埋もれていた不適切動画であっても、そのままの状態が続くとは限りません。いつ、何がきっかけで燃え上がり、企業が窮地に追い込まれるか分かりません。

「炎上」被害を防ぐために企業が取るべき対策は?

こうした不測の事態に、企業はどう備えるべきでしょうか?
 
自社の社員やアルバイトが過去に悪ふざけのつもりで撮影した不適切な動画や画像がTwitterなどで第三者に拡散されるか否か、拡散されるとすればいつなのか、いずれも予想するのは不可能でしょう。
もちろん、不適切な動画や画像が撮影されることのないよう、日頃から従業員教育の強化に努めるのは重要なことです。

ただし、規模の大きい会社であればあるほど、末端の社員やアルバイトまで教育効果を行き届かせるのは困難です。教育が行き届くとしても、成果が出るまで相当の時間がかかることも否めません。

SNSの「炎上」による企業の被害を防ぐ上で最も有効なのは、TwitterやInstagramなどの投稿を日頃から監視する体制を整えることです。炎上しそうな不適切動画などの投稿主をいち早く特定し、適切に対処すれば、拡散による炎上を防ぐことができます。

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